仮想通貨FXのスワップポイントは紛らわしいので徹底解説!

仮想通貨には「スワップポイント」というものが設定されています。通貨同士の組み合わせの取引ですから、FX売買をしたことがある方は当たり前と思うかもしれません。

しかし、仮想通貨においてのこの「スワップポイント」はそもそものFX取引における意味とは別のものとして機能しています。

したがってFX投資で「スワップポイント」を稼いでこられた方は、早合点してくれぐれも誤解しないように注意しなくてはなりません。

もともと仮想通貨は特定国に属した法定通貨とは違いますので、保有し続けてもどこからも金利が付与されるものではありません。

発行国の「政策金利」の影響を受けて法定通貨との通貨ペアで売買したときに、金利差分をスワップでもらえる、あるいは逆に支払うという仕組みがそもそも存在しないのです。

仮想通貨FXの場で語られるスワップとはもっぱら「業者の手数料」という意味合いがあることを大前提として理解する必要があります。

特定の国内仮想通貨FX業者はこれを「レバレッジ手数料」などとも呼ぶのようになっており、買っても売っても一律の手数料がかかることなるのです。

ここでは通常の金融市場の概念では少しわかりづらい、この「仮想通貨のスワップポイント」について詳細をご説明していまいります。

 

FXのスワップポイントの仕組み

スワップポイントがもっともポピュラーな存在なのは、何と言っても「FX市場」ということになります。

FX取引の世界では、低金利の法定通貨を売って高金利の法定通貨を買いそのポジションをそのまま保有し続けると、NYタイムの終了時に毎日業者が設定してたスワップポイントを受け取れる仕組みが存在します。

逆に金利の高い通貨を売って安い通貨を買った場合には、スワップポイント分をトレーダーが支払うことになるのが基本的な仕組みとなっています。

スワップ金利が適用になるのはNYタイムの取引終了時であり、そのままポジションを保有しし続けることを「ロールオーバー」と呼びますが、このロールオーバー時に付与されることになります。

このスワップポイントはそもそも法定通貨間の金利差分ということになるので、どこの店頭、取引所FXで売買しても同じ金額になりそうなものです。

しかし、実際には業者と結ぶ相対契約に基づいて業者が提供するレートでの支払いになることから、個別業者で通貨ペア毎、買いスワップ、売りスワップにかなり違いが生じることになります。

したがって、あらかじめスワップポイントを高く提供する業者と契約することが重要になります。

またスワップポイントには業者のマージンが含まれることから、一般的には金利差から付与されるスワップポイントよりも差し引かれるスワップポイントのほうがどうしても大きくなるという特徴があります。

唯一国内の取引所FXはこの「買いスワップ」「売りスワップ」の値がまったく同じに設定されています。

実際に高金利通貨を買うことを考えてみたときに、国内でもっとも人気が高いのがトルコリラ円の取引になります。

2019年4月現在のトルコの政策金利は「24.0%」と猛烈に高くなっていますので、トルコリラ円を買えば毎日高額のスワップポイントを得ることができるようになるわけです。

国内業者でスワップ設置の高いところを利用すれば、1万通貨ペアでNYタイム終了時に「毎日123円」ほどのスワップを得ることができるようになるのです。

相場が安定しているときには売買益ではなくこうした保有による「インカムゲイン」で長く保有して利益を獲得する投資家も存在することになります。

したがってFX取引では一旦ポジションを作ったら、長くこのスワップポイントを得るために継続して保有するトレーダーも少なくない状況です。

 

仮想通貨FXのスワップポイントの仕組み

一方「仮想通貨FX」の場合、通貨ペアの組み合わせの主軸となる仮想通貨そのものが法定通貨のように金利を発生しないことから、スワップポイントと呼ぶものの買っても売っても取引コストが発生することになります。

本来はスワップポイントではないわけですが、便宜上スワップポイントと呼ぶ業者が多く、国内の一部業者は「レバレッジ手数料」という名目でこのコストを顧客から徴収しています。

通常この仮想通貨FXにおけるスワップポイントは、FX同様NYタイム終了時に毎日支払うことになります。時間は業者によって若干異なりますが朝の6時ないし7時に設定されているところが殆どとなります。

ただ、海外の仮想通貨FXでは「CryptoGT」のように1日一回の徴収ではなく、1日に6回にわけて手数料が発生するところもあり、業者によってこの手数料の徴収方法はさまざまなものとなります。

 

国内業者と海外業者のスワップポイントを比較

それでは、ここでは国内で中心的存在である「GMOコイン」と海外仮想通貨FXの専業会社として注目されるCryptoGTの2つのスワップポイントを比較してみることにします。

・GMOコインでビットコインFXを保有した場合

「GMOコイン」では仮想通貨FXにおいてはビットコインと日本円との間に金利差がないことから、スワップポイントとは呼ばずに「レバレッジ取引手数料」という名称を使っていますが、内容はまさにこのスワップポイントとなります。

国内でもっとも人気の高いビットコインFXを例にしますと・・

その手数料はビットコインで「0.04%」が一日の保有でNYタイム終了時に毎日コストとしてその分の支払いを余儀なくされることになります。

2019年3月現在の「1BTC=40万円」と仮定して計算しますと「40万円×0.04%=160円」でこれはビットコインFXを買っても売っても1日にかかる手数料ということになります。

一見すると大した金額ではないように思われますが、1年間レバレッジを1倍の状態でポジションを保有した場合には年率で「14.6%」にもなる勘定です。

GMOコインで5倍のレバレッジで運用した場合、年率はなんと「73%」にまで跳ね上がり原資の7割以上を食ってしまうことになるので、レバレッジを上げた取引を行う場合にはかなり注意が必要になります。

このレバレッジ手数料は営業日が変わる前に取引を終了すれば、FX取引同様一切かかることはありません。したがってデイトレを中心として、その日のうちに取引を終えている限り負担する必要はありません。

国内業者の場合、横並び感が強いため比較的スプレッドは似通ったものになっています。

ちなみにGMOコインの場合ほかの通貨ペアを選択しても「一律0.04%」のレバレッジ手数料(スプレッド)がかかることになります。

 

・Crypto GTでビットコインFXを保有した場合

海外仮想通貨FX業者として知名度があがりつつある「Crypto GT」の場合は、国内業者とはかなり異なる運用になっています。

この「Crypto GT」のスプレッドの徴収は昨年から大きく変わり、営業日が終了するロールオーバー時に一括で徴収するのではなく「1日6回にわけて徴収する」形となっています。

その結果「3時・7時・11時・15時・19時・23時」に1日の6分の1ずつの徴収を受けることになります。

なぜこうした仕組みにしたのかは不明ですが、とにかくエントリーから6つのあらかじめ指定された時間にポジションを持って通過すると、必ずスワップポイントを徴収されることになります。

「CryptoGT」のビットコインのスプレッドは平均して27程度ですからこれで計算しますと・・1ドル110円と仮定した場合「27×3636USD×1BTC÷100÷360=2.727ドル」ですから、1日300円ほどのコストがかかる勘定です。

これが6分割されますので4時間保有していますと「50円ずつ保有コストが加算」されることになります。

パーセンテージで表示した場合、ほぼ4時間で0.005%程度のスプレッド手数料が発生していることがわかります。

「CryptoGT」の場合にはリアルタイムの通貨ごとのスプレッドは口座を開設してホームページの情報から随時最新のものを確認する必要があります。

ここでご紹介したのはあくまでも平均的なスプレッドの例ということになりますが、ビットコインFXでは国内取引所よりも高いコスト設定になっていることがわかります。

ただしアルトコインFX全般では逆に低めの設定となっており、やはり金額のはるビットコインが主力のビジネスになっていることが窺われます。

スプレッドに関しては海外仮想通貨FX業者の表記の仕方が国内業者と異なるため、わかりにくいい部分もありますが、これだけは慣れることが必要になりそうです。

「CryptoGT」が扱う、その他の仮想通貨ペアのスワップポイントは以下の表になります。

御覧いただくとわかりますように仮想通貨ペアのスワップポイントは一部かなり高いものも存在します。

法定通貨とのペアでも日本人がほとんど取引しないであろう「ユーロ」との組み合わせでかなり高くなっていますから、迂闊に売買できないものも存在することはあらかじめ認識しておくべきでしょう。

また当然のことながらレバレッジをかけますとさらに負担金額は大きなものになりますので、しっかり理解してから取引することが重要となります。

このように「GMOコイン」と「Crypto GT」といった国内と海外業者の代表的な2社を比較してみますと、以下のような「メリット、デメリット」が存在することになります。

FXを経験されている投資家の方にとっては通常のスワップポイントの付与とは大きく異なるものであることから、若干わかりにくいものがありますが、これが仮想通貨FXであると割り切ってしっかり事前に認識することが必要となります。

 

仮想通貨FXは長期保有がむいていない

こうして見てきますと、仮想通貨FXは現物の仮想通貨の売買と違ってとにかく安いところで買い、そこから長くポジションを保有して大きな利益を得るという取引方法には馴染まないことがわかります。

仮想通貨といいますと安い価格で購入して、その後爆発的に価格が上昇したところで売却することで大きな利益を確保して「億り人」になるといった成功を夢見ることになるでしょう。

しかし、レバレッジがかかる仮想通貨FXは、ポジションを保有しているだけでそれなりのスプレッドのコストがかかることになります。

長く相場にいることで大きな価格変化にも巻き込まれやすくなることから「長期保有の手法としてはあまり向かない」ことがお分かりいただけると思います。

ある意味こうした取引を期待するなら「現物売買」で行うことがお勧めとなるのです。

仮想通貨FXに関しては、国内業者は市場参加者も多く流動性も比較的確保されているビットコインFXのマーケットだけに傾斜した事業を行っているところが非常に多くなっています。

一方、アルトコインFXの取引は圧倒的に海外業者の品揃えが多く、国内業者にはない高いレバレッジも用意されていることから、国内業者と海外業者には使い勝手にかなり違いがあることが見えてきます。

ただし、レバレッジをかけますとますますスワップポイントも大きくなる点はかなり注意が必要です。したがってメリットと感じられるところをうまく抽出して使いこなしていくことが重要であるといえます。

 

仮想通貨FXはボラティリティの高さを生かした「短期トレード」がおすすめ

ここまでご説明してきますとカンの良い方はだいたいお分かりになると思いまが、仮想通貨FXは「短時間にそのボラティリティを利用して売買していく」ことが重要になることがわかります。

とくにチャートを利用してどこでエントリーするのがもっとも効果的なのか?を十分に練った上で売買していくことが成功につながるといえるのです。

短期売買であればレバレッジを活かすことで大きな利益を短時間で獲得することもできますし、仮想通貨FXならではのトレード術というものを確立することが非常に重要になるのです。

あまりにも大きなボラティリティはすべての証拠金を失うリスクに直面することになりますが、直近の市場のような比較的取引しやすいボラティリティを示現する相場局面では以前よりも数段取引がしやすくなってきているということができます。

もちろん含み損が出始めると非常に大きくなる危険がありますので、しっかりと自己判断で躊躇なく損切りをして相場に入りなおすといった基本的な売買姿勢を保つことが重要になることは言うまでもありません。

現状では国内業者と海外業者で大きなリスクの差はありませんから、レバレッジや適用通貨ペアなど取引しやすい条件をしっかり揃えているところで売買を行うことが肝要になるのです。