仮想通貨FXの銘柄を選ぶ基準について解説

国が発行する通貨というのは世界でもほぼ190程度存在するといわれていますが、同じ通貨を名乗っても仮想通貨のほうはすでに「1000」を超える規模になっており、新な通貨が発行されては消えてなくなるという状況を繰り返しているのが現状です。

今回は、この新たな仮想通貨が登場する背景と、その中でどのように仮想通貨FXの対象銘柄を選択していくべきかについて考えてみることにいたします。

 

仮想通貨の銘柄は1000種類を超える

仮想通貨はすでに「1000種類以上」の銘柄が世の中に存在していることになりますが、実際に利用されている通貨というのはその10分の1にも満たないという話になっています。

これはひとえに「ICO」という仕組みが絡んでいるからだといわれているのです。

・仮想通貨の種類が多いのは「ICO」が原因

仮想通貨に非常に多くの種類が登場した背景には「ICO」の存在があることが大きな要因となっています。

この「ICO」とは「Initial Coin Offering」日本語でいえば「新規仮想通貨公開」と呼ばれるもので、ネットを使い証券取引所のお世話にならない形で資金調達をし、事業のスタートアップをはかるという新しい仕組みとなっているのです。

特に国をこえて世界中から短期間に資金調達をするのであれば、特定国の証券取引所を通じて行わなくてはならないレガシーな「IPO」よりもはるかに先進的な資金調達方法ということができます。

資金を調達する企業や組織にとっては以下のようなメリットが存在します。

〇 収集した資金に配当を支払う必要がない
〇 集めた資金に株式の発行の必要がない
〇 利子の支払いがない
〇 投資対象となる事業に価値を投資家に開示する義務がない
〇 小規模なベンチャーや個人でも利用が可能である
〇 支払いは仮想通貨のため完全にネット上で払い込みが完結される
〇 投資家は少額から資金提供が可能
〇 投資家は購入したトークンやコインをネット上で転売が可能

このように本来「ICO」は資金調達のための手段で、投資の証として発行されるトークンに近いものが仮想通貨と呼ばれることになります。

しかし、近年の「ICO」をみると資金調達をする側が簡単に実行できることから、事業というよりも仮想通貨のスタートアップによる発行のためにICOを行っていることが結構多いのがやはり非常に気になります。

何かの事業を起こすためにネット上でデジタルアセッツとして販売し、その対価にトークンなり仮想通貨を発行し、しかもICO以降自由に売買ができるように仮想通貨取引所に上場するというのは表面上は構想上はいいアイデアに思えます。

しかし、単に新たな仮想通貨を発行するためにICOを行って資金を集めてしまいますと、当初は仮想通貨としての一時的な時価総額が話題になりますが、投機だけでほかの事業はなにも行わないとなると流通しなくなり、やがて無価値化になる恐れが極めてつよく、新規通貨の発行後大きな問題になることも少なくないのです。

投資家は少額から投資できて転売も可能というのは当初の触れ込みになりますが、実際には二束三文になったり、どこの取引所にも上場されないという大きな問題も起きているのです。

・ICOのコインには4つの種類が存在

最盛期には月間で3000億以上のICOが行われた時期もありましたが、主要な仮想通貨の価格が2017年末から大きく下落をはじめたあたりでICOは急激に減少しており、2018年9月以降はほとんど目につくICOが登場しなくなっています。

それと引き換えにすでに800以上の仮想通貨がほとんど価値がなくなり、米ドルで1セント以下に転落し流通しなくなるという現実があります。

このICO案件については大きくわけて「5つのカテゴリー」が存在するといわれます。

1)本当に事業を開始したケース
2)すでに死亡したケース
3)盗まれるケース 
4)最初から詐欺のケース
5)パロディー仮想通貨

ICOはさすがにすべて詐欺ではありませんから、トークンを発行して実際にビジネスを行うケースももちろん存在します。

しかし故意ではなくても事業に失敗してすでにお亡くなりになってしまったトークン、仮想通貨が非常に多いのもまた事実です。

さらにICOで資金を投入したものが盗まれる(Hacking)ケースや、そもそも虚偽の事業化で最初から詐欺のケースもかなり見受けられます。

また単なるパロディとして「BUTT COIN」や「BITCORN」など誰がみても偽物のような通貨を発行するケースもあります。

こうした虚偽とも思えるICOの仮想通貨については「Dead Coin」という名称のICOで使えなくなった通貨を専門に紹介するデータベースサイトが存在しますので、まずここでチェックしてみますと通貨の実態が確認できることになります。

 

 

通称「ガクトコイン」から学ぶ新興仮想通貨のリスク

ICOというと国内ではもっとも気になるのが「ガクトコイン」の異名をもつ「スピンドル」のその後です。

・そもそもスピンドルの目論見とは

このスピンドルは芸能人の「Gackt」が広告塔を務めたことから話題になり人気を集めましたが、出資者にはSPDトークンを発行し、その資金を用いて仮想通貨ヘッジファンドに投資するというのがICOのそのそもの目論見でした。

ただ発行元のブラックスターはスピンドルのトークンは国内では第三者に譲渡することを禁止するとしており、いまさらながらこのトークンが問題になってきている状況です。

さらに仮想通貨ヘッジファンドに投資が行われたのかどうかもよくわからず、海外の取引所のいくつかに上場は果たしましたが、そこから先何が起きているのかはまったくよくわからない状況です。

・ホワイトペーパーを吟味しないととんでもない損失を被ることに

IPOという証券取引所の上場で株を買う形で資金を提供するのであれば、その後の事業がどうなっているのかは株主としてもっと明確に掌握することができるわけです。

しかし、このICOという形式は資金を提供した途端にその後の状況はまったくわからないのが現実の世界で、こうした銘柄を選択することには本質的なリスクが伴うことを認識しておく必要があります。

本来ICOをしっかり見極めるなら「ホワイトペーパー」と呼ばれる事業計画書の中身をしっかり精査するべきで、いつまでに販売が終わりますよという楽天市場のスーパーセールのように焦り狂って売買するような代物ではないことは十分に理解しておくことが肝要です。

・足元のスピンドルの価格は見るも無残

スピンドルは、2018年1月末に実施されたプリセールでは「1SPD=0.006ETH」で販売され、1SPDあたり33.3円程度の価格となりました。

しかし、2018年10月には一時、「0.1円台」という無価値化寸前のところまで下落し、足元では日本円の交換レートは「¥0.067120円」とさらに下落して、完全に「屑通貨」になってしまったことがわかります。

Data Coin Gecko

仮に100万円の資金を投入ていた場合、プリセールで「30303SPD」のトークンを取得できたことになります。

しかし今これを売却したとしても「100万円」が「2033円」となり、下手をすると手数料をとられたらマイナスになる危険性すらあるのです。

 

仮想通貨の銘柄を選ぶポイント

ここでご紹介しましたように仮想通貨には驚くほど幅広い選択肢があるものの、実際に投機のトレードとして機能するものはそれほど多くないことが理解できます。

そこで実際に仮想通貨の銘柄を選択する場合に、どのような視点を重視すべきなのかをまとめてみました。

 

1)流動性がしっかり保たれていること

仮想通貨取引、とりわけ仮想通貨FX取引を実現する意味でもっとも重要となるのが「流動性が確保されているか」どうかということになります。

当初ビットコインは全体の発行枚数が最初から決められているために希少性があることが個人投資家の間では話題になりました。

これが「プレミアム性を生むのではないか」と期待されたわけですが、世界の埋蔵量がオリンピックプール数杯分しかないといわれる金でさえ価格は下がるわけですから、希少性を重視した銘柄選択はナンセンスです。

むしろ「一定以上の量が流通する」ことのほうがはるかに重要になるのです。

流動性が確保されない金融商品などあるのかと思われるかもしれませんが、既存市場では株なども結構流動性に乏しい状況に陥ることがあるのです。

だれも買いたがらない銘柄というのはとめどもなく価格が下がりますし、FXなどでもロシアルーブルなどは売るに売れなくなる状況に追い込まれることが十分に考えられます。

時価総額が小さく、しかも毎日の売買量が非常に乏しい仮想通貨の場合には相当注意する必要があるといえます。

 

2)ビットコインとは異なる新規性・将来性をもっているかどうか

仮想通貨の市場では相変わらず時価総額、市場規模を含めてビットコインが大きな存在になっており、そのほかのアルトコインは気が付くとビットコインとかなり相関性の高い動きをしていることに気づきます。

たとえば「リップル」のように国際間の銀行送金や決済といった実需の部分で大きな役割を果たすことを志向しているような仮想通貨は、単なる投機とは別の期待が広がることになり、実際ビットコインとも異なる市場の動きをしはじめていることがわかります。

つまり仮想通貨を横並びで見たときに、ビットコインとは異なる価値を形成しようとしているかどうかは選択の重要な判断視点になるものと思われます。

 

3)セキュリティがしっかりしているかどうか

仮想通貨にとってきわめて重要なのが「セキュリティ」がしっかりしているかどうかという問題です。

やはり設計当初から外部のハッキングなどで被害を受けない仕組みを導入していることが重要になります。

ただ、仮想通貨の場合には取引所がかかえるセキュリティの問題もあり、なかなか一元的に判断することができないのも事実です。

ひとたびハッキングなどで大量の盗難事件などが起これば、当然のことながら価格の下落に大きく影響を与えるわけですから、通常の法定通貨の紙幣が銀行強盗などで大量に盗まれるといった事態とはまったくことなる状況が展開してしまうことについては相当な注意が必要になります。

 

4)取引手数料が安いかどうか

取引手数料が安いかどうかも仮想通貨には重要なファクターとなります。

仮想通貨FXでは直接的な仮想通貨自体の取引手数料は影響しないと思われがちですが、現物の取引上手数料が高いということは非常に流動性に影響を与えやすいだけに、意外な注意点として確認しておくべきポイントともいえるのです。

 

5)ハードフォークがどのぐらい繰り返されているか

さらにここへきて重要な要素となってきているのが「ハードフォーク」がどのぐらい頻繁に行われるのかという問題です。

ビットコインのスタート当初はハードフォークは新しいコインが無償でもらえる程度の認識しか市場参加者にはありませんでした。

しかし「BCH」が誕生からいくらもたたないうちに再度ハードフォークを迎えるにあたって対立する組織が「ハッシュウォー」を繰り広げるといった事態が起こりました。

結果的にBCHと派生的に誕生した新たな通貨は、すべて集めても元の時価総額を大きく下回るといった状況に追いやられています。

黎明期にはハードフォークもやむを得ないことという認識が市場にはありました。

しかし、実際に頻繁に起こってみると、その後取引がうまくできない期間も示現することとなり、決して市場参加者には都合のいいイベントではないことがはっきりしてきています。この辺りも十分に事前に認識しておく必要があります。

 

6)自分の投資スタイルに合っているかどうか

これは非常に重要なことですが、自分が行いたいと思っている投資のスタイルと選択しようとしている仮想通貨の動きが合致しているかどうかを見極めることも重要なポイントになります。

確かにボラティリティは高いもののテクニカル的に理解できないような上下動を繰り返すとなると、投資対象としては向かないという可能性も十分に考えられるのです。

相性といってしまえばそれまでですが、個々人の投資スタイルにマッチする通貨とそうでないものがあるのは厳然たる事実で、それをしっかり見極める必要があるのです。

 

まとめとして~投機ではなく投資につかえる仮想通貨を選ぶこと

仮想通貨は往々にして投機的に買って爆益がえられたら売るという非常に投機性の強い商品として人気を博した傾向があります。

しかし、価格の推移が落ち着いた今だからこそ単に大きな利益を狙うだけではなく、テクニカルやファンダメンタルズ分析をしっかり行うことで理路整然と利益を狙う取引を行う必要があります。

とにかく短期間で大きな利益をと考えるのはまさにギャンブル的に一攫千金狙いであり、まぐれで当たることもあるかもしれませんが、長続きはしないものです。

仮想通貨の取引を始めるにあたってはこのことを肝に銘じる必要があります。