国内の仮想通貨FXと海外の仮想通貨FXの決定的な違いとは?

仮想通貨を証拠金でレバレッジをかけて取引するということになると選択するのが「仮想通貨FX」ということになります。

国内では仮想通貨販売所、取引所などが平行してこのサービスを提供しています。

一方、海外では既存のFX業者が業務を拡張して仮想通貨FXも取引できるようにしているケースと、新規の仮想通貨FX専業の業者が存在しており、国内の業者状況とは異なる部分があります。

 

大前提として国内仮想通貨取引業者は決して安全ではない

FXの世界では、国内業者で金融庁からの免許を保持している業者は安全で安心という話が強く市場に広まっていますが、仮想通貨に関しては必ずしもそうではないことが国内でも次々と起こっており、金融庁お墨付きなら安心とはまったく言えないのが実情です。

現在営業を行っている業者はほとんどが登録業者ですが「みなし業者」の多くは「業務改善命令」「業務停止命令」を受けて市場から消えてしまっている現状があります。

下記の表は過去に「業務改善命令」や「業務停止命令」を受けた業者になりますが、こうやって一覧表にしてみると処分を受けた業者が数多く存在することがわかります。

当初はこの「みなし業者」という業務を始めてしまったから致し方なくそのまま営業を許可するという、なし崩しの業者が多く存在しており、ハッキングで莫大な仮想通貨を盗まれてしまった「コインチェック」もこれに属する業者でした。

また正規業者として運営されてきたテックビューロの「Zaif」は2018年9月26日にハッキングを受けて、70億円相当のNEMを盗まれましたが、結局顧客への返済の見通しが立たなくなったことから「フィスコ」に身売りすることで事業から撤退しています。

 

国内で仮想通貨FXを提供しているのは殆ど仮想通貨取引会社

もちろん仮想通貨「販売所」や「取引所」と仮想通貨FX事業とはまったく別ものですが、事業主体が同じわけですから経営リスクはそのまま仮想通貨FXにも襲いかかってくるわけです。

つまり、国内業者で仮想通貨FXの取引をするのはかなりリスクがあることを示している状況です。

既に営業を開始している「GMOコイン」や「DMMビットコイン」などはFXやCFDでの事業経験をもった会社の系列会社ですから、それなりのスキルトランスファーができるのかもしれません。

しかし、仮想通貨専門の販売所や取引所から交換業の登録業者になったところはそもそも証拠金取引のプラットフォームは簡単に用意できても、知見と事業実績が悉く足りていませんから、こうした業者での取引リスクはかなり高いといえます。

 

顧客の資金保護という点では国内業者にはかなりリスクがある

国内のFX業界は顧客からの資金を守るために「信託保全」が必須の業務要件になっています。

しかし、現状における仮想通貨交換業者は「分別管理」つまり顧客の資金と自社の運転資金を別の口座で管理することが要件となっており、業者自身が顧客の資金に手をつけてしまったらそれでお仕舞というかなりリスキーな状況にあります。

さらにハッキングによる「盗難」という、通常のFX業者ではありえない危機的なリスクに常に直面しているのです。

これまでにあった過去2回のハッキング盗難事件ではなんとか顧客に資金が戻りましたが、今後盗難規模が大きくなればどうなるかまったくよくわからないという、非常にリスクの高い環境で取引をすることになる点もしっかり理解しておく必要があります。

FXの領域ではとにかく顧客の「資金保護」という点で海外業者はかなり危ないということが連呼されていますが、国内のこうした仮想通貨交換業者が片手間に実施している仮想通貨FX事業はまったく安全性が担保されていないことがよくわかります。

 

海外の仮想通貨FXはFX業者と仮想通貨FX専門会社が存在

一方海外の仮想通貨FX業者は、既存のFX業者が業務を拡張しFX取引とまったく同じプラットフォームで売買できるようにしたところと、新たに仮想通貨FX専門が存在しております。

海外の業者は、専門業者は国内では売買できない「アルトコインFX」での取引可能通貨ペアが非常に充実しているのが特徴となっています。

後者の「仮想通貨FX専門会社」というのは国内には存在しない業態で、海外業者でしか享受できないサービスを提供している点は注目されるところです。

 

国内仮想通貨FX業者と海外業者を具体的に比較

それでは今回は「国内」と「海外」の仮想通貨FX業者を具体的な例を比較しながらその違いをご説明します。

ここでご紹介するのは国内FX,CFD系では大手のGMOの子会社「GMOコイン」「DMMビットコイン」さらに海外仮想通貨FX専門業者の「CryptoGT」を比較してみます。

■取り扱い通貨ペア比較

まずもっとも基本となる仮想通貨FXの通貨ペアですが、GMOコインは5つの通貨に対して円との通貨ペアを用意していますので5通貨ペアでの取引が可能です。

レバレッジは今のところ「5倍」と「10倍」の選択が可能となっています。

しかし、業界団体が「最大4倍」の自主規制に踏み切っていますので、早晩4倍が最大レバレッジになるものと思われます。

入出金はFXのサービスで利用できるクイック入出金が可能で、取引所サービス対応の一環として仮想通貨FXでも売買可能となっています。

DMMビットコインも国内店頭FX業者としては有名な存在ですが、こちらはさらに取引通貨が多く設定されており、7種類計14通貨ペアの売買が可能です。

現状では同社の通貨ペア設定が国内最大となります。入出金はやはり国内業者らしくクイック入金・出金が可能です。

ここで取り上げていないそれ以外の国内主要業者は、ビットコインFXのみを扱っているところがほとんどで、取引所サービスの延長戦上にビットコインFXをラインナップさせていることがわかります。

一方「CryptoGT」は国内にはない10種類のアルトコインを含めた仮想通貨をレバレッジをかけて売買することが可能で、法定通貨ペアならびに仮想通貨ペア同士での取引も可能となるため、実に55種類の通貨ペアを利用することができるようになっています。

取引はMT5 をPC,モバイルともに利用できますので、操作性は間違いなくすぐに利用できるようになっています。

レバレッジは国内には全く存在しない「最大200倍」の設定ができますので、うまく取引ができれば少ない資金で大きな取引を実現し、それに見合う利益を得ることが可能になるのです。

もちろんレバレッジは調整可能で1倍、10倍、25倍、50倍、100倍、200倍の中から選択し、随時変更が可能です。

ただ、入金は海外業者ということもありEウォレットに仮想通貨で入金する必要がありますので「Bitwallet」などで仮想通貨を購入してから、入金する必要がある点は国内業者にはないプロセスを持っているといえます。

 

■スプレッド比較

%表記(DMMは原則固定で金額固定しているので価格変動でパーセント表示は変わります。あくまでも1つの目安としてご覧ください。)

仮想通貨FXの場合手数料をとるところはかなり限定されており、ユーザーが負担するのはもっぱらスプレッド部分とスワップポイントの負担ということになります。

上の表は2019年3月現在のスプレッドを3社で比較したものです。

ビットコインはあまり違わないものの、それ以外のアルトコインの領域ではスプレッドはかなり異なるものがあり、価格自身が大きくないアルトコインの場合には負担するコストが国内業者利用と海外FX業者利用ではかなり異なるものとなることがわかります。

FXをやり慣れている人が見ますと、この違いはとてつもない大きさであり非常に気になるところですが、現状での比較的落ち着いた相場環境での売買では、できるだけスプレッドの小さい業者を選ぶ必要があり、その視点では海外業者が大きな魅力を持っている状況といえます。

 

■追証に関する問題には国内と海外業者で大きな違い

ひところに比べるとボラティリティが低くなった仮想通貨ですが、それでも通常の法定通貨ベースのFXと比べればかなり上下に値幅の大きな動きをすることは間違いありません。

まさかの時に「追証」を負担する必要があるかどうかは個人投資家にとってもっとも大きなポイントとなっています。

国内業者ではGMOコインは追証を廃止していますが、証拠金を上回る損失がでた場合には追加の資金を要求されることになります。

またDMMビットコインは一定の不足額がでたところで追証を求められますし、証拠金を超えた損失が出た場合には追加の資金を要求されるのはGMOと同様の状況です。

ところが「CryptoGT」は海外FXにも導入されている「ゼロカット方式」を採用していますので、いかなる相場の暴落があろうとも、入金した証拠金以上の損失を支払う必要はないように設定されているのが国内業者利用と大きな違いになっています。

この仕組みは海外の業者では必須のサービスプログラムとなっているのですが、とくに仮想通貨の場合には何が起こるかわからないことから取引する個人投資家にとっては相当安心感のある仕組みで、これだけとっても海外業者で取引する甲斐のあるものといえます。

 

■国内業者と海外業者では表示される価格が大きく異なることも

時として大きな違いがでるのが仮想通貨FXの価格の問題です。

もともと国内の販売所や取引所での仮想通貨売買でも個別の業者ごとに大きく価格が異なることがあって、FXなどと比較しますとまったく納得のいかない違いがでることもあるわけです。

仮想通貨FXの場合も国内業者間の価格提示が大きく開いたりするのに加え、海外業者が提示する価格が異なるケースもあり注意が必要です。

ここでご紹介している「CryptoGT」の場合には、海外の7つの取引所のチャートをベースにして価格を割り出しているとされていますが、特定取引所で値動きが大きくなりますと国内業者では示現しないような価格に変動することもあるため、相場が大きく動いているときにはレバレッジの利用も含めて注意が必要となります。

 

まとめとして

国内でも仮想通貨FXの取引ができる業者は存在しますが、その取引選択肢は限られており、ほぼビットコインだけにフォーカスしている業者が多いことはあらかじめ理解しておく必要があります。

海外仮想通貨FX業者では国内で取引できないような「アルトコインFX」も提供していますので、国内では実現できないような取引も可能になるという点ではかなり大きなメリットがあることがわかります。

過去数年にわたってあまりにもボラティリティが大きかったことから、ビットコインFXで証拠金以上の損失を出す個人投資家が続出しました。

このことから業界団体は「最大4倍のレバレッジ」を自己規制の上限としており、せっかく落ち着き始めた相場の中でハイレバレッジが活かせない状況になっています。

海外仮想通貨FX業者はこうした規制に参加しませんので、足元でも「最大200倍のレバレッジ」を活かすことが可能です。

仮想通貨には相変わらず大きな相場変動がつきものとなっていますが、万が一相場が暴落して値が飛んでしまうようなことがあった場合、国内業者は証拠金を超えた損失を顧客から徴収することになります。

しかし、海外業者は証拠金以上の損失を一切請求しない仕組みをもっていますから、まさかの時には海外業者を利用しているほうがはるかに安全であるという大きな違いがあることも認識しておくべきでしょう。

細かい部分には国内、海外のメリット、デメリットが存在しますが、大きな括りで考えますと海外仮想通貨FX業者を利用するのはかなり個人投資家にとってはプラスとなることが改めて理解できます。